2012年01月14日

アマリリス日記

●11月23日●

 妹宅が完成し、新築祝いに呼ばれた。
「これ、お返しだから持っていって」
 姉と母、それに私は、重箱くらいの大きさのおみやげをもらった。箱の外側には「アマリリス」と書かれており、品種は「ピンクパラダイス」となっている。

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 目に飛び込んでくる濃いピンクが可愛い。
 家に帰って箱を開けると、控えめな芽が顔を出している。

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 鉢の下には、ジャンボ玉ねぎっぽい球根があるに違いない。水は週に一度、180cc程度と書かれていた。私は計量カップで水を量り、アマリリスにやった。
 先が楽しみだ。


●12月11日●

 アマリリスを、室外に出してはいけないという。日当たりのよい室内で育てるのだそうだ。
 東側の出窓に置いて、大きくなるのを待った。
 その甲斐あって、芽が伸びてきた。

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「おおっ」と夫も感動している。
 生命の鼓動が伝わってきた。


●12月18日●

 ときどき、鉢を回して日の当たる位置を変えてやる。
 アマリリスはニョキニョキと伸び、背高のっぽになった。

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 娘が、腑に落ちない顔で聞いてくる。
「ねえ、これ、本当にアマリリス? ネギじゃないの?」
「……」


●12月29日●

 娘にバカにされ、「今に見ておれ」と思ったのだろうか。ネギリリス、いや、アマリリスは、つぼみを開き始めた。

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 開花間近である。後ろのほうにもつぼみがあり、こちらもふくらみ始めている。

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 にぎやかになりそう。
「ああ、やっぱり、アマリリスだったんだね」
 娘も、ようやく納得したらしい。


●12月31日●

 いよいよ開花か。

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 にぎやかな新年を迎えられそうだ。

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●1月2日●

 花びらがピンと伸び、ピンクパラダイスはようやく咲いた。

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 パッケージのイラストより美しい。
 私は喜び、妹と姉に写メを送った。


●1月4日●

 このアマリリスは、一度に4つの花が咲くらしい。

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 東西南北でいうならば、東が咲き、西ももうじき満開になるところだ。
 南と北は、つぼみをじりじりと成長させている。


●1月9日●

 ついに、最後のつぼみが咲き、4つの花が勢ぞろいした。

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 圧巻。


●競演●

 姉が持ち帰ったアマリリスは種類が違う。
 1月6日に「ウチも咲いた」と写メが来た。

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 こちらは、花びらが多くてゴージャスだ。

 妹からも、1月7日に開花を知らせるメールが来た。

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 ウチのアマリリスと似ているが、白い部分が多いかな。

 唯一、母から開花を知らせる連絡が来ない。
 もう、70歳になるおばあさんだから、きっと、やり方がわからないのだろう。
 ぜひ見たいのだが。

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2011年12月26日

トレフミヤモト忘年ディナー

●プラス ムッシュ●

 お友達マダムの涼子さんから、忘年会をしたいというメールが来た。
 3月の震災後、一度お食事会があったのだが、体調がよくなかったことに加えて、帰りの電車が不安だったので行かなかった。たぶん、一年ぶりにお会いするわけだ。
 私は張り切って返信をした。
「前から行ってみたいお店があるんです。もちろん、智恵子さんもお誘いして、にぎやかにしましょう」
 すぐ涼子さんから返事が来た。
「じゃあ、お店はお任せします。いつがいいですか」
「クリスマス前だったら、大体大丈夫です」
 送信しようとして、ふと、研二さんのことを思い出した。
 研二さんというのは、涼子さんと同年代の男性で、私たちの共通の友人である。震災後のお食事会は、ひさびさに彼が企画し、声をかけてもらった。あのとき、お断りしたのは申し訳なかったという思いがある。
「研二さんにも声をかけますか?」
 メールにそう付け加えると、涼子さんも「ぜひ、そうしましょう」と乗り気になった。
 そんなわけで、今回は、マダム涼子とマダム智恵子に加えて、マダム見習い中のワタクシ、ムッシュの研二さんの4人でディナーを楽しむことになった。


●メアド問題●

 行きたいお店とは、六本木にあるフレンチレストラン「トレフミヤモト」である。
 インターネットでお店探しをしていたとき、本格的なフレンチの雰囲気が漂っていたので、いつかは行かなくてはと狙っていたのだ。しかし、ランチは曜日が限定されているし、席数も多くないので、先延ばしにしていた。
 月曜定休だが、12月はディナーのみ営業しているらしい。電話をかけてみると、あっさり予約が取れた。早速、涼子さんと智恵子さんにメールを送る。
 実は、研二さんのメアドを知らない。涼子さんに送っておけば、メアドを知っている彼女が転送してくれる。私が直接メールすれば、涼子さんの手間が省けるのだが、私は異性のアドレスを聞くことに慣れていない。
 なんとなくタイミングを逃して、伝言ゲームのようなやり取りを続けた。
「各自でホームページをご覧になって、お料理のご希望をメールしてください」
 マダム2人に送信すると、涼子さんからはこんな返事がくる。
「ホームページを見ましたが、私も研二さんも、砂希さんにお任せするということでお願いします」
 結局、直接のコンタクトがないまま、ディナー当日を迎えた。


● Menu C ●

 私が選んだものは、menu C「本日おすすめのシェフ特別コース」である。
 お店に着くと、マダム宮本が品のある笑顔でお迎えしてくれる。今日は、マダムだらけだ。
 先に来ていた涼子さんと研二さんは、すでにグラスを傾けていた。
「砂希さん、お久しぶり。もう、いただいているわよ。食前酒のハスカップですって」
「まあ、美味しそう」
 マダム宮本が、すぐに私のハスカップを運んできた。

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 さっぱりした甘さで、いい感じ。
 じきに智恵子さんも登場し、お食事がスタートした。
 まずは、1皿目の前菜だ。
 ガラスの皿は、一人ひとり違った柄になっている。私の前に置かれた皿は、青一色で、少々単調だった。隣の涼子さんの皿をチラ見すると、そちらの柄がよく見える。
「そのお皿、いいですね」
 もの欲しそうな言葉を投げかけると、彼女は私の意図を理解したようだった。
「気に入った? 交換しましょうか」
「ええ、ぜひ」
 お皿を入れ替えていたら、研二さんが「うわ〜、信じられない」と呆れていた。
 うん? これって、マナー違反?

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 コースには入っていないが、オプションで「トマトのサラダ」をつけてもらうことができる。これは、こちらの名物料理で、てんとう虫のデザインとなっている。ぜひとも食べてみたかったのだ。
ちなみに、触覚にはネギを使用しているらしい。

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「かわいい〜♪」
 ナイフを入れるのが気の毒だったが、目をつぶってカットする。
 サクッ。
 濃いトマトの味が、口いっぱいに広がった。
 満足、満足。
 
 焼きたてのパンも、本格的だ。

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 右のパンは胡麻で、左の3連のパンは赤ワインである。上中央のパンは……忘れた。ついついパンを食べすぎて、お料理が入らなくなるお客さんもいるという。
 それは、よくわかる気がする。

 前菜2皿目は、フォアグラとトリュフの一口ソースコロッケである。

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「こちらのフィンガーボウルで指を洗っていただき、手づかみでお召し上がりください」
 マダム宮本の説明によると、中にはトロトロのソースが入っているため、コロッケを傾けて口に流し込むようにするそうだ。
「変わったお料理ね……」
 涼子さんも研二さんも、少々鼻白んでいる。私も、地味な見た目にだまされた。
 しかし、これはかなりの自信作らしい。
 長時間煮込んだ濃厚なソースの中で、フォアグラとトリュフが調和して、なめらかでコクのある絶品に仕上がっている。4人とも「美味しい!」と声を上げ、見事なお味に感心した。

 前菜3皿目は、ミネストローネだ。

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 なんとも、ユニークなカップである。立ててもよし、斜めに傾けてもよし。さまざまな角度で安定する、不思議なカップだ。こちらも美味しくいただいた。
 魚料理は伊勢海老である。

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 とっても幸せな気分になる。

 肉料理は鹿だった。

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 クセがあることを心配したが、あっさりしていて、大変食べやすかった。
「へえ、鹿って結構美味しいのね」
 智恵子さんも、満足のご様子である。

 あとには、デザートが続く。

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 さらに、コーヒーとお茶菓子。

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 昔話に花が咲き、楽しい忘年ディナーが終了した。
 今度は、家族と来たい。
「じゃあ、俺は日比谷線で帰るから」
 研二さんが、ひとあし先に、メトロの階段を降りていった。
 結局、メアドは聞かなかった……。

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2011年11月20日

スチームサワで風邪退治

●ひさびさの風邪●

 夕方、喉がヒリヒリと痛んだ。このところ健康で、風邪は何年もひいていない。「まあ大丈夫だろう」と高をくくっていたら、翌日には軽く咳き込むようになってしまった。

 いかん、風邪だ……。

 この時点ではまだ、私はこれをなめていた。2週間後に、今年の風邪は咳が長引いてしつこいのだと、身をもって知ることになる。
 私の場合、風邪のひき始めは、たいてい喉からだ。熱が出ることは稀で、鼻水がズルズルしたあとは、放っておいても一週間ほどで治る。ツラいときは医者に行くこともあるが、今回は妊娠しているかもしれないので、そのまま様子を見ることにした。
 しかし、気がついたら2週間も咳が続いている。これは尋常でない。
 喉は痛いというより、かゆいほうに近い。だが、鼻の奥が乾燥しているようで、ひきつれたような痛みを感じる。これがどうにも耐えがたく、何とかならないかとイライラしていた。
 そのとき、思い出した。

 そうだ、スチームサワがあったじゃない!


●スチームサワ●

 娘が保育園児だった頃、よく風邪をひいていた。鼻と喉の保湿によいからと、オムロンのスチームサワを買ったのだが、成長とともに使わなくなった。もう何年も、屋根裏収納庫で眠ったままだ。
 
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 ボイラータンクと給水カップに水を入れ、スイッチオンにするだけで、温かいスチームが出てきて鼻と喉を潤す製品である。もっと早く思い出せばよかったと後悔した。

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 おそらく、8年ぶりくらいに使用する。ちゃんと動くかしらと心配したが、何の問題もなかった。
 心地よい蒸気が噴出してきて、喉も鼻もサッパリした。
 問題は、この蒸気で髪が濡れることである。パーマをかけているので、髪が濡れると、そこだけ明後日の方向を向いてしまい、非常に見苦しい髪型となる。
 それから、鼻も口もビッショリ濡れるので、タオルを近くに置かねばならない。タオルなしでスイッチを入れたら、水滴があごを伝って、膝の上を濡らしてしまった。
 便利な機械ではあるが、使いかたを考えないと、あとが困る場合もあるのだ。


●職場にて●

 朝イチでスチームサワを使っても、夕方には喉や鼻が痛くなる。どうやら、昼にも使ったほうがいいようだ。
 重かったが、電車に乗って1時間かかる職場まで、えっちらおっちらと、スチームサワを運ぶことにした。
 しかし、どこで使えばいいのだろうか。
 正直いって、人前で、ノズルに鼻を突っ込むのは御免こうむりたい。誰もいない場所を探し、ひそかにシュワシュワしたいものである。
 私は、華道や茶道のための和室に目をつけた。あそこなら、水道もあるし、用がなければ誰も来ない。
 予想は的中し、私は落ち着いて喉と鼻を潤すことができた。
 しかし、鏡を見て仰天した。

 か、髪が〜!!

 スチームは、左右均等にはみ出すわけではないようだ。私の髪は、左側だけチリチリになり、外側を向いてしまった……。ああ無念。
 だが、体が楽になったほうがいい。おかげで、だいぶ治ってきた。この分ならば、明日、明後日にも回復するだろう。

 うちのスチームサワは旧型だが、今の型はもっとカッコいいようだ。

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 職場用に1個あるといいかも……。

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2011年09月23日

らくらく手作りおはぎ

●秋分の日●

 お彼岸に合わせて、生協で「手作りおはぎセット」を買った。

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 これには、もち米、うるち米と、あんの素が入っている。

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 あとは、炊飯器、計量カップ、ボウル、すりこぎ、ラップを準備すれば、誰にでも作れるというお手軽セットである。
 腕におぼえのない身としては、大変ありがたい。


●作り方(10個分)●

@ まずは、もち米・うるち米と、水260mlを炊飯器に入れ、白米と同じように炊く。
  無洗米だから簡単だ。

A 「あんの素」の豆がつぶれるように、袋の上から全体をもみほぐす。
  つぶれたら袋から出し、10等分する。甘味が足りなければ、ここで砂糖を加える。

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B @のご飯が炊き上がったら、ボウルに移し、すりこぎで好みの硬さにつぶす。
  このとき、すりこぎに水をつけ、ご飯がくっつかないように気をつける。

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C Aのあんをラップに平たくのばす。

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D 手に水をつけてBのご飯を10等分し、小さな俵型に丸めたらCのあんに載せる。

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E ラップを丸く包んで、形を整える。

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F 皿に移してできあがり。

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●反省点●

 あんの衣を着せるため、中のご飯を少なめにしないと、大きなおはぎになってしまう。
 10個できるはずだったのに、ご飯が多かったから、6個分しかできなかった。
 どのおはぎもビッグサイズで、ハンバーグのようだ……。

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 できたては、ホカホカしていて軟らかい。
 お腹をすかせた夫が、様子をうかがっていたので、2個食べさせた。「おいしい」と大喜びだ。
 ハート型のおはぎを作ろうと思っていたのに、「温かいうちに手早く」を心がけたら、すっかり忘れてしまった。全部俵型にしたところで、「しまった!」と舌打ちする。
 夫が空いた皿を持って、やってきた。
「お昼は?」
「今食べたでしょ」
「えっ、これだけ!?」
 これだけじゃ、ダメですか……。

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2011年09月19日

冬じゃないけど焼きリンゴ

●リンゴペクチン●

 8月上旬、朝起きたら体がだるかった。体温もやけに低い。体が思うように動かず、貧血の症状に似た感じだ。
 しかし、病院では特に異常がないという。
 根拠はないが、蓄積された放射能によって、不調になったのではないかと疑った。

 震災のあと、福島周辺だけでなく、風下である関東にも、相当な量の放射性物質が飛んできた。テレビでは「ただちに健康に影響はない」と繰り返していたが、あれからもう何カ月も経っている。私は体が丈夫なほうではないので、そろそろ影響が出るのではと心配になった。
 頼みの綱は、リンゴペクチンである。
 リンゴペクチンには、体内にたまったセシウムを排出させる働きがあるらしい。ネットを見て作ろうと思ったが、料理音痴の私には、少々敷居が高い。
 だったら、手軽で美味しい焼きリンゴを作ろうと思った。効果のほどは定かではない。しかし、生のリンゴでも食べないよりはマシだといわれている。リンゴペクチンは、過熱によって働きがよくなり、吸収もアップするそうだから、試す価値はありそうだ。


●材料(4個分)●

 りんご   4個
 はちみつ  大さじ2
 ブランデー 大さじ2
 バター   10g
 シナモン  少々
 塩     少々

 焼きリンゴは紅玉が最適だが、店頭になかったので、旬の津軽にしてみた。
 ブランデーは、ケーキ用の小さなものにした。ウチでは誰も飲まないのだ。


●作り方●

@リンゴを水洗いし、水気を拭き取る。

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Aリンゴの上部を、ヘタの根元くらいまで薄く切り取り、フタを作る。

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B底に穴を開けないように、芯抜き器かスプーンで芯をくり抜く。

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 ウチには芯抜き器がないので、グレープフルーツ用のスプーンを使った。さほど、時間はかからない。

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Cくり抜いた穴に、ハチミツ、バター、ブランデーを4等分して入れる。
 その上から、シナモン、塩をふりかける。

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 シナモンの隣に、ブラックペッパーが置いてある。容器が同じなので、間違えてかけないようにと慎重になった。万一、使ってしまったら悲劇だ……。

Dフタと本体に、楊枝で数箇所穴を開け、フタを載せて元の形にもどす。

E180度に熱したオーブンに入れ、40分ほど焼く。

F皿に移してできあがり。

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●いただきます●

 リンゴペクチンは、皮の部分にたくさんあるようだ。
 しかし、生では硬くて食べにくいから、焼きリンゴで労せず摂るのがよい。
 オーブンに入れてから15分も経つと、リンゴの甘酸っぱい匂いが漂ってきて、食欲を刺激される。

 作り始めてからわかったことだが、傾いたリンゴは使わないほうがいい。くり抜いた穴に液体を入れると、こぼれそうになるから量が減るし、焼いている途中でフタがずれ、落ちてしまう。
 
 焼きリンゴのフタを取ると、穴の中には、甘〜いシロップが待ち受けている。バターもブランデーも、ハチミツやリンゴとほどよくミックスされており、実にいい味に仕上がっている。シナモンの存在感がなかったので、少々多めに振ったほうがよさそうだ。
 ハチミツを多めにすれば、甘味が強くなり、バターやブランデーを増やせば、コクのあるシロップに変身する。好みで加減すれば、いろいろな味が楽しめる。

 本体にナイフを入れると、サクッという手ごたえがある。底が抜け、シロップが皿いちめんに広がっていく。これを柔らかな果肉につけて、温かいうちにいただくのが好きだ。

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 まもなく、体の不調はうそのように治ってしまった。
 リンゴが効いたのか、それとも、単なる心理的な効果なのかはわからない。
 とても美味しかったので、調子がよくても悪くても、焼きリンゴはおやつの定番になりそうだ。

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2011年08月21日

ガンダムカフェでお買い物

●秋葉原●

 秋葉原に行くと、必ずガンダムカフェに寄る。
 だいたい、カクテルを飲んで帰るのだが、夏休みはそういうわけにいかなかった。11時半を回った頃だったので、ランチをしようと思ったのに、入口には長蛇の列ができている。
「あっちゃ〜」
 私は待つのが大嫌いだ。
 ランチはあきらめ、カフェ脇のショップでガンダムグッズを買うことにした。

 レジの前に、ビニール傘が並んでいる。
 しかし、ただの傘ではない。ビームサーベル型のビニール傘なのだ。取っ手が真っ直ぐで長く、ピンクに色づいたビニール部分が素晴らしい。雨が降っていたら買ったかもしれないが、あいにく、その日は晴れていた。


●名セリフクッキー●

 商魂たくましく、ミルク味とチョコ味の2箱セットで袋に入っている。

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 ミルク味のほうには、セイラやフラウ・ボウといったヒロインの名セリフが、チョコ味のほうには、シャアやアムロ、なぜかブライトも含まれたヒーローの名セリフが収められている。

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 何の変哲もないクッキーなのに、あの場面のこの言葉がはいっているだけで、人気商品となるのだから面白い。
 しかし、ガンダム世代でない夫には通用しない。
 お腹が空くと、ガサゴソと箱を漁り、セリフも読まずに食らっている。
「何て書いてあった?」と聞いてみるが、字があったことにすら気づいていない。
「見てないから知らない」と当たり前のように答え、2枚目、3枚目に手を伸ばす。

 ダメだ、こりゃ。

 価値のわからない者にとっては、ただの焼き菓子なのである。


●シフォンケーキ●

 ガンダムカフェでの余計な買い物は続く。
 夏休みはどこにも行かなかったので、職場で配るお菓子がないのだ。いただくばかりで、お返しできないと悪いから、ついでにここで調達しようと考えた。
「これがいいんじゃない?」
 同行した娘が、シフォンケーキを勧める。

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 これなら、無難かもしれない。
 しかし、家に着いたら娘が食べたがり、結局開けてしまった。
 包み紙は、4種類のキャラクターとなっている。

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 中は観光地にありがちな、軟らかいクリームケーキである。

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 とびきり美味しいほどでもないが、普通に喜んでもらえる感じだ。
 でも、家用にしてしまったから、職場には「名セリフクッキー」の残りを持っていくことにした。


●人形焼●

 ショップの入口に、300円のガチャガチャがある。
 中身は、クッション素材のガンプラ焼きか人形焼で、チェーンがついたもののようだ。ガンプラ焼き欲しさに挑戦してみたが、中を開けたら、悲しいことに人形焼だった。
 
 ちぇっ。

 店内には本物の人形焼がある。

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「ガンダムモビルスイーツ」という文字に、思わず噴き出した。
 中には、ザク、グフ、ドム、ズゴック、アッガイ、旧ザクが、全部で10個入っている。
 カステラ部分がパサパサしていて、浅草界隈の人形焼とは比べ物にならないけれども、そういうものだと思って食べれば、それなりにイケる。
 ガチャガチャで当たった人形焼は、「旧ザク」だったようだ。
 本物の「旧ザク」の人形焼と比較してみる。

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 そっくり!!

 そんなわけで、今、ウチにはガンダムのお菓子ばかりがあふれている……。

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2011年08月06日

空海と密教美術展

●密教とは●

 上野の東京国立博物館平成館で開催されている、「空海と密教美術展」を観てきた。
 7月20日からの公開だから、館内はかなりの人で賑わっている。しかも、お経や三鈷杵などの小さな展示品も多いため、三重四重の人だかりとなり、飴に群がる蟻の気分が味わえる。もうちょっと、落ち着いてから出かけたほうがよいかもしれない。
 タイトルを見て、「密教って何だろう」と疑問を持った。
 調べてみると、仏教の一宗派だが、大日如来が自らの悟りの世界をそのまま説いた、けっして表面上では知りえない秘密の教えのことらしい。つまり、秘密仏教である。
 国宝・重要文化財98.9%という、とてつもない数字もわかる気がした。

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 さらに興味をひかれたのが、「この夏、マンダラのパワーを浴びる。」とのキャッチフレーズだ。
 なにやら、いいことがありそうな気がする。座布団を一枚、差し上げたい。

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●第一章 空海_日本密教の祖●

 お財布くらいしか持っていかなかったが、オペラグラスと鉛筆が必要である。なにしろ、曼荼羅などは細工が細かく、肉眼では十分に楽しめない。特に、最近、老眼が進んできた身には、小さな図柄に手こずってしまう。通と思われる人は、ちゃんと用意していたから感心した。
 また、会場内では、鉛筆以外の筆記具が使えない。私はボールペンしか持って行かなかったから焦った。しかし、係員のお姉さんが、鉛筆を貸してくれたから助かる。
「またお経でしょ。もういいよ、飛ばそう」
 中学生くらいの女の子がこんな会話を交わしていた。それくらい、第一章ではお経が多い。ここでの目玉は、国宝「聾瞽指帰(ろうこしいき)」であろう。空海直筆の草稿本で、力強さや意志の強さが伺える筆使いと称されている。
 他のお経と比べると、空海の字はややクセ字である。模範的な文字ではないが、男性的な魅力を感じる。もっとも、丸文字なんてなかっただろうが……。
 また、重要文化財「崔子玉座右銘断簡(さいしぎょくざゆうめいだんかん)」も印象的だ。これも空海筆といわれており、「短無説己之長」と書かれている。意味は「人の短を道(い)うこと無かれ、己の長を説くこと無かれ」である。
 平安時代も今も、御仏の教えは心に響く。
 

●第二章 入唐求法●

 ここでは、密教法具が印象的だ。五鈷鈴(ごこれい)、錫杖頭(しゃくじょうとう)などが興味深い。写真がなくて残念である。
 期間限定の展示品もあった。
 7/20〜7/30までは、純金製の「金念珠」が展示されていたが、私が見に行ったのは7月31日だった。残念ながら見逃した。
 7/31〜8/11までは、重要文化財「三鈷杵(さんこしょ)」別名「飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)」が公開されている。空海が唐から帰国する際、密教を広めるのに相応しい地はどこかと、明州の港から三鈷杵を投げたら、日本まで飛んでいって、高野山の松の枝に引っ掛かったとの伝承が、名前の由来となったそうだ。
 三鈷杵の力なのか、空海の力なのか。
 摩訶不思議である。


●第三章 密教胎動●

 国宝「五大力菩薩像」は、憤怒の形相をした恐ろしい菩薩が描かれている。額には第三の目があり、尋常ではない迫力で、こちらを睨みつける。近寄ったら焼け焦げそうだ。未就学児と思われる小さな子どもも、お父さんに抱かれて見ていたが、「怖いよぅ〜」と目を逸らしていた。気持ちはよくわかる。
 国宝「両界曼荼羅図(高雄曼荼羅)」は黒ずんでしまい、よく見えない。9世紀のものだから仕方ないか。
 重要文化財「両界曼荼羅図(血曼荼羅)」は、平清盛が大日如来の宝冠に、自らの頭の血を混ぜて彩色したとの言い伝えがあるそうだが、展示期間が合わずに見られなかった。
 ああ、残念……。
 国宝「細字金光明最勝王経」は、大変小さな字でありながら、均整が取れており、この上なく美しい出来栄えのお経である。「うわぁ〜、すごいわねぇ」と感嘆の声をあげる、オバちゃんたちに同意した。
 オペラグラスどころか、バードウォッチング用の双眼鏡が必要かもしれない。


●第四章 法灯_受け継がれる空海の息吹●

 正直いって、第一章から第三章までは、少々退屈だった。
 だが、ここからは違う。
 この展示の一番の見どころは仏像なので、ここからは俄然興が乗ってくる。
 はじめに、重要文化財「大日如来坐像」が目に入る。曼荼羅の中心に位置するこの仏を、私はしげしげと観察した。
 さらに国宝が続く。梵天像、地天像、帝釈天像、火天像、羅刹天像、水天像などがお目見えすると、心の邪気が追い払われるような清清しさを感じる。
 重要文化財「千手観音菩薩立像」は、知名度が突出して高い菩薩像であろう。人ごみの中で、無謀にも私は腕の本数を数えてみた。
「いち、にい、さん、し……」
 43本が確認できた。しかし、奇数というのも変だ。奥のほうは、重なって見えるから、正しい数ではないかもしれない。
 国宝「薬師如来坐像」、国宝「阿弥陀如来および両脇侍像」なども素晴らしかったが、私が目を奪われたのは、重要文化財「如意輪観音菩薩坐像」である。
 立膝に頬杖、柔和で優しげな顔を少々傾け、くつろいだ姿勢で、もの思いにふけっている様子が個性的でよい。

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 気に入ったので、クリアファイルを購入した。サマージャンボの宝くじでも入れておこうか?


●仏像曼荼羅●

ようやく、真打ちの登場である。「お待たせいたしました!」という声が聞こえそうなくらい、場内の期待が高まっている。
 国宝「梵天坐像」は、ガチョウ4羽に支えられている。平成館までの途中の、看板にも使われていた。逆三角形の男性美が素敵だ。

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  国宝「帝釈天騎象像」は、象の上だ。これもまた、看板に登場している。

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 国宝「金剛法菩薩坐像」、国宝「金剛業菩薩坐像」、国宝「降三世明王立像」、国宝「大威徳明王騎牛像」なども立派で、何度も見たくなる。
 私が一番心を引かれた仏像は、国宝「持国天立像」である。
 これは、四天王のうちのひとつだが、邪鬼を踏みつけ恐ろしい顔で仁王立ちしている。病魔や貧乏神、浮気の虫などを追い払ってくれそうな表情だ。こちらも、クリアファイルをゲットした。

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 国宝「増長天立像」も恐ろしくていい。

 さて、公式サイトでは、仏像曼荼羅コーナーの8仏像の人気投票をしている。
 順位をつける必要はないが、人の好みもあるわけで、ちょっとのぞいてみたくなった。
 私が投票したのは、「持国天立像」である。
 結果を見ると、1位はダントツで「帝釈天騎象像」が選ばれている。2位が「降三世明王立像」、そして3位は、私が投票した「持国天立像」であった。(8月6日現在)

 やったー!!

 
●おみやげ●

 クリアファイルに加えて、食べるものが欲しくなった。何しろ、うちには、年中お腹をすかせた夫がいる。
「ふせん」なるものが目に入る。製造元を見ると、ちゃんと京都で作られている。迷わず、これを買った。

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 一般庶民とはかけ離れた、高貴な味である。
「クリアファイル買ってきたの? 見せて」
 中3の娘が、おみやげ袋をのぞきこむ。彼女が釘付けになったのは、「増長天立像」のほうである。
「あっ、お母さんが足の下に〜」
 私は即座に、「いないから!」と言い返す。
「キャラクターは?」
「何もないみたいだよ」
「なんだ。ミッキョー・マウスとか、作ればいいのにね」
「…………」

 最近、体の調子がいい。
 やはり、マンダラパワーのおかげだろうか。

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2011年07月24日

空のガンダム

●ANAバージョン●

 5月にANAの飛行機に乗ったら、機内販売誌に、ファーストガンダムのANAバージョンが載っていた。

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 ガンダム大好きの私が、これを見逃すはずはない。
 本来、ガンダムはこういう色である。

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 しかし、空の青だけでなく、海の青をも連想する、このガンダムも捨てがたい。残りわずかという説明にドキドキしたが、どうにか買えたようで、一週間後、自宅に届けられた。

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 ボールペンと比較してみると、とても大きな箱だということがわかる。さすがは1/48スケールだ。
 箱を開けてみると、パーツも大きい。

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 だが、数が少ない。ハッキリ明記されていないが、これは初心者向けのHG(ハイグレード)といわれるタイプのものであろう。子どもでも難なく作れるレベルである。
 箱の片隅にある、「対象年齢8才以上」という文字に苦笑いした。

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 私の弱点は、買うだけで安心してしまうところだ。
 5月半ばにこのガンプラを手に入れたのに、結局、時間がないからと手をつけず、組み立てを開始したのは海の日である。2カ月も放置してしまった。


●初日●

 HGのいいところは、組み立てに時間がかからないところである。私は飽きっぽいので、さらに部品の多いRG(リアルグレード)のシャアザクを作ったときなど、下がるテンションを上げるのが大変だった。これは、3時間もあれば完成するから、忙しい社会人や主婦などにはおススメだ。
 まずは、プラモデル用のニッパーを取り出す。

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 これを買いに行ったとき、探すのに夢中で、友達からのメールにも気づかなかった。よく切れて、いっぱしの趣味人になれた気がする。
 まずは足から。
 1/144スケールを組み立てたときは、一つひとつのパーツが小さくて、指から滑り落ちることもしばしばあったけれども、1/48スケールではそんなこともなく作りやすい。
 ピタリ、カチリとはまっていき、スラリとした足が出来上がった。

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 次は腰だ。
 同じようなパーツでも、左右で微妙な違いがあったりして、説明書の通りに組み立てていく。
 さらに胴。
 ここまでできると、だいぶ形になってくる。

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 ビーム・サーベルと、左右の腕を取り付けたところで、夕食を作る時間になってしまった。

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 あとは頭だけだというのに、時間切れとは残念だ。ガンダムの置き場に困り、ひとまず出窓に避難させた。
「わあっ、このガンダム、首がない!!」
 夫が奇妙なガンダムにビックリしている。おそらく、道行く人も、首なしガンダムに驚いたことだろう。早く続きを作らねば。


●2日目●

 頭部のパーツに、黄色で、変てこな形のものがある。

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「何だろう」と首をかしげたが、すぐにわかった。ガンダムの目だったのだ。

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 光らないのが残念だ……。
 首なしの可哀想な体にくっつけて、ようやく完成した。

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 このあと、シールを貼るようだが、面倒なのでサボることにする。
 武器も作らなくてはならない。
 説明書には、「ビーム・ライフルの両手持ちにチャレンジ」と書いてある。グーになっている両手を付け替え、ライフルを握らせてみた。

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 うーん、なかなか。

 シールドもつければ、躍動感あふれるポーズが決まる。

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 楽しい。すっかり気に入った。
 1/144スケールのガンダム、シャアザクと並べてみる。

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 ずいぶん、大きさが違うのだなと実感する。これでは、チビっ子だ。
 幼子を2人かかえた、シングルファザーのように見えないこともない。

 さて、これをどこに飾ろうかと悩む。出窓にそのまま置いてもいいが、色が褪せてしまいそうだ。やはり、日の当たらない場所が安全だろう。
「トイレなんかどうかしら」
 トイレの棚は北向きで、日にさらされる心配がないのだ。だが、娘に反対された。
「ダメだよ。臭くてイヤだって言うよ」
「……それもそうね」
 しかも、地震で落下したら大変だ。運悪く便器のフタが開いていた日には、ドボーンと飛び込みを披露してしまうではないか。
 仕方ない。また出窓に置いておこう。
 色が褪せる前に、部屋を片付け、ガンダムスペースを作らなければ。
 お片付けもやる気になるし、買い物の満足度としては上々のガンダムであった。

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2011年06月18日

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展

●エドゥアール・マネ●

 年に何度か、仕事のない平日がある。
 家にいるのはもったいないので、どこかに出かけたい。たまには、大好きな美術館に行こうと決めた。しかし、その日が月曜だったため、美術館はこぞって休館日になっているとわかり、がっかりした。
 諦めるのはまだ早い。私は月曜開館のところを調べてみた。
 あった、あった。
 しかも大物が……。
『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』
 乃木坂または六本木から歩いてすぐの国立新美術館で、6月8日から9月5日まで開催されている。そういえば、某新聞でも大々的に取り上げていたではないか。
 俄然、行く気になって、支度をした。

 六本木方面から歩くと、モダンな姿の美術館がよく見える。

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 でかでかと掲げられた看板に、気持ちがひときわ高揚する。

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 展示の顔ともいえるこの絵は、エドゥアール・マネの『鉄道』(1873年)である。

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 有名な絵なのかもしれないが、私はあまり好きではない。こちらを向いている女性が、男顔でちょっと怖いからだ。ニコリともせず、「ジロッ」と一瞥されたようで、歓迎されていない気がする。被害妄想だろうか。


●ピエール・オーギュスト・ルノワール●

 私のエッセイ仲間に、美術大学で学んだ女性がいる。彼女に言わせると、「ルノワールは、最も女性を美しく描く画家」なのだそうだ。
 なるほど、そういう視点で眺めると、ルノワールの描く女性は透きとおるような肌をしている。表情は柔らかく、ふっくらとした体型が心地よい。
「何か、ルノワールのおみやげを買おう」と思い、出口のショップで探したのだが……。
 私が選んだものは、『ボン・ヌフ、パリ』(1872年)のブックマークだった。

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 これはこれでいいけれど、女性の絵にすればもっとよかったかもしれない。


●メアリー・カサット●

 女性の画家もいたようだ。メアリー・カサットは、子どもを描いた作品が多く、活き活きとした表情が微笑ましい。
 私は、『青いひじ掛け椅子の少女』(1878年)がいいと思った。
 退屈なのだろう。ひじ掛け椅子にだらしなく体を投げ出している少女の、膝を閉じるのも面倒だという、かったるそうな表情がユニークである。
 こちらも、ショップで一筆箋を買い求めた。

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 ちょっとした場面で使えるので、一筆箋は便利である。
 しかし、お買い物リストのメモには使いにくい。この絵の隣に、「ネギ、豚肉、牛乳、卵……」などと書くのは申し訳ないからだ。


●ドガ、セザンヌ●

 エドガー・ドガの『ディエ・モナン夫人』(1879年)という絵も印象深い。
 モデルとなった夫人は、社会で活躍されていたらしく、知的でキリッとした顔をしている。目にした人は、おそらく、「立派な人なんだな」と感じるのではないだろうか。
 しかし、モデル本人は不満だったようで、「受け取りを拒否した」と説明されていた。
 うーん……。
 女心は難しい。

 ポール・セザンヌの絵もいくつか並んでいたが、『水浴の男たち』(1897年)には仰天した。
 6人の男性が、裸で水浴びをしている絵なのだ。リアルな描き込みはないが、むさ苦しいばかりで美しくない。「何でこんな絵を??」と私は混乱し、足早に次の絵に移った。
 だが、出口のショップには、なんとこの絵のポストカードが売られているではないか。私はわが目を疑った。

 買う人いるんかい!?

 意地悪な目で観察すると、他の絵に比べて、在庫がかなり多いようだ。隣も、そのまた隣も、カードに隙間ができているのに、この絵だけは「ギュウ」っと詰まっている。
 売れていないのか、好評につき補充したのか。
 私は前者だとにらんでいる。


●フィンセント・ファン・ゴッホ●

 チラシには、フィンセント・ファン・ゴッホの『自画像』(1889年)が載っていた。

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 家に持ち帰ると、娘が声をかけてきた。
「あ、それゴッホの『自画像』でしょ」
「知ってるの?」
「うん、美術の教科書に載っていたよ」
「へー」
 何と、ゴッホの自画像は、少なくとも36枚はあると書いてあった。

 ナルシストなんだろうか??

この展示にある自画像は、晩年の体を悪くした時代とのことで、顔がシャープになっている。元気でも、病気でも、ありのままの自分を残したいとの想いからだろうか。
 
 チラシの片隅に、こんなフレーズがある。
「これを見ずに、印象派は語れない」
 思わず、うなずいてしまった。
 夏休みになったら、娘を連れて、もう一度見に来たいと感じるコレクションであった。

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2011年05月29日

白衣の大船観音

 先日、大船観音に行ってきた。
 子どものときは、横須賀まで海水浴に出かけることがあり、大船駅に着くと窓ガラスに顔をくっつけて観音様を凝視したものだ。真っ白で、やさしそうな表情が好きだった。
 もう何十年もご無沙汰している。
 今月は、たまたま時間があったので、久しぶりに足を運んでみた。

 大船駅で下車し、信号を渡って坂道を登る。けっこう急な坂だ。しかし、杖をついたお年寄りも、頂上を目指してフウフウ言いながら頑張っている。ここで、比較的若い私がくじけるわけにいかない。
 ようやく入口にたどりついた。

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 拝観料300円を支払い、中に入る。
 雨女の私にしては、珍しく晴れていたのがうれしい。
 ここからだと、観音様は上のほうしか見えず、じらされている気分になる。
 
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 まずは、原爆慰霊碑が目に入り、手を合わせる。

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 大船観音は、第一次世界大戦後の昭和4年に、不況や飢饉などの不安定な社会情勢の中で、国民の平安と国家の安寧の祈願ため建立を計画されたものらしい。しかし、第二次世界大戦の折には放置され、実際に完成したのは昭和35年だという。

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 順路を行くと、「子育地蔵」なるものが目にとまり、こちらにも手を合わせる。

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 反抗期まっただなかの娘は、年中夫と衝突しているが、願わくば穏やかな人間に成長してほしい。
 緑の多い道をさらに上っていくと、ようやく観音様が見えた。

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 高さ25m、幅19m、奥行き13mという大きさだが、柔和な表情のためか、圧迫感がない。
 真っ白なお姿が、ただただ神々しい。
 すべてを受け入れ、許してくれるような包容力を感じる。
「来てよかった」と感じる瞬間であった。

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 背後には、胎内への入口もある。
 
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 ぐるっとひと回りして、観音様の正面に戻った。
 すがすがしい気分でおみくじを引くと、意外なことに「凶」だった……。
 まあ、日頃の行いが悪いから仕方ない。

 帰りに、観音最中を土産に買う。
 しかし、ペットボトルやらカメラやらで、つぶれてしまったようだ。
 帰宅後、おやつに食べようとして、悲しくなった。

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 見た目が悪くなっても、味に変わりはない。
 牛皮のもっちりした食感が冴える、美味しい最中だったので、家族からは好評だった。
 今度はいつ行かれるだろう。
 せめて、次は「小吉」まで、運気も上がればいいのだが。

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