2017年08月28日

クール便不要の北海道みやげ

 大学3年の娘が、友人と北海道に行くことになった。
「おみやげ買ってくるよ。何がいい?」
「うーん、そうねぇ……」
 北海道と聞いて、まず浮かんでくるのがロイズや六花亭である。だが、生協でも買えるため、わざわざ現地で買ってきてもらう意味がなくなった。特に、マルセイバターサンドはメジャーになりすぎて、スーパーの北海道フェアでも手に入る。
 また、チョコレートや生クリームを使ったお菓子も人気だ。でも、手間暇かけて金かけて、クール便にする価値は感じられない。生菓子は現地で食べるのが一番であろう。
 常温で持ち帰ることができて、なおかつ人気のあるおみやげは何なのか。ネットを検索して探してみた。
「じゃあね、わかさいもと、じゃがピリカ、よいとまけ、トラピストクッキー、マロンコロンをお願いします」
「は? 何でそんなにいっぱい。図々しいな」
 だって、全部美味しそうだったんですもの。
 遠慮を知らない母親に応えて、おみやげが、もとい、娘が帰ってきた。

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「わーい、どれから食べようかなぁ」
「賞味期限が早いのからにすれば」
 お茶漬けは、娘が自分用に買ってきた。甘いものが、あまり好きではないらしい。
「わかさいもが一番日持ちしない。これからいこう」

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 焼き芋をデザインしたお菓子なのに、原材料にさつまいもは使用していない。北海道で、さつまいもがとれないという事情は知らなかった。代わりに大福豆を使い、表面には卵しょうゆを塗って焼き色をつけている。2つに割ると、芋の繊維を表現するための昆布が出てきた。細かく計算された、ち密なお菓子であることに、ひたすら感心するばかりである。
 余分なものを使わずに、素朴で安心する味がした。和菓子にしょうゆを使ったのは、こちらの商品が初めてというから、冒険心もあるのだろう。みたらし団子のような、しょうゆの丸さが目立っている。
 翌日、いただいたのは、よいとまけ。

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 一見すると、チキンロールのようだが、外側にハスカップジャムが惜しげなく塗られたロールケーキである。外袋にくっつかないように、オブラートで保護されていた。切れ目に沿って、一切れつまみあげる。

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 カステラの間に、生クリームのないところがいい。しっとりとしたカステラに、甘酸っぱいハスカップがぴったりマッチして、実に爽やかな味わいなのだ。北海道の涼しい風が、喉元にヒュウッと吹いてくるような気がした。
 マロンコロンは結構なボリュームだから、小腹が空いたときに食べるといい。

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 4種類ある中でカカオを選んだ。この厚さに、少々ビビる。クッキーでできたエンゼルパイに見えたからだ。

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 外側がチョコレートでコーティングされているので、室温25度以上の場所では冷蔵庫に入れたほうが美味しい。ひと口ガブリとやった。口の中でサブレーが崩れ、チョコレートの甘味が舌の上に広がる。
 うまい。
 こってり感もあり、「甘いものを食べたぞ」という満足感が非常に大きい。でも、甘いものが苦手な人に、この量は厳しいかもしれない。実際、娘は半分しか食べられなかった。残りの半分を、私が横取りしたことは言うまでもない。
 じゃがピリカは、賞味期限が10月になっていたが、さっさと食べてしまった。

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 トヨシロ、ノーザンルビー、キタムラサキの3種の芋を使っているので、微妙に違った味が楽しめる。しかも、芋本来の色を生かし、着色料は使われていないから安心だ。コーヒー、紅茶、日本茶にはもちろんのこと、ビールや発泡酒にも合う。水でも唾でも、好きなものを飲めばよい。
 一番、賞味期限の長いお菓子が、トラピストクッキーであった。これは、2018年の1月まで持つ。

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 1袋に3枚のクッキーが入っていて、何だか得した気分になる。

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 実は、子どものときからこのクッキーには馴染みがあった。母が「軽くてパリパリしていて美味しいねぇ」とベタ褒めで、誰かが北海道に行くと聞けば「トラピストクッキー買ってきて」と頼んでいたらしく、ときどき家の中で見かけた。私が北海道に行ったときも買ってきた。でも、どの店にも置いてある商品ではなく、何軒か探して見つけたおぼえがある。シンプルで飽きのこないクッキーだというのに何故だろう。
 修道院で作った商品だから、販売戦略などに疎いのかしらと勝手な解釈をした。
 さて、この5種類のおみやげで、私が一番気に入ったものは……。
 断然、マロンコロンですっ!
 ボリュームがあって、こってりしているのに、上品な甘さに惹かれた。
 生協でも、取り扱ってくれないかしら。

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posted by 砂希納言 at 22:03| Comment(2) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月04日

鎌倉・吉兆庵美術館 宮川香山展

 私は陶芸家・宮川香山の追っかけをしている。
 といっても、ご本人ではない。作品である。宮川香山は昭和20年の横浜大空襲のため、4代目で途絶えてしまった。新たな傑作が生み出されるわけではないが、展覧会開催の情報を聞きつけては、あっちだ、こっちだと追いかけていく。
 大変だねって? いやいや、まったくそんなことはない。むしろ、楽しい。
 先日は、鎌倉にある吉兆庵美術館まで足を運んだ。

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 宮川香山の作品では、田辺哲人氏のコレクションが有名だ。それから、山本博士氏、源吉兆庵のコレクションが続くと聞いた。山本氏は、横浜の真葛ミュージアムでコレクションの一部を展示しており、今まで2回見に行った。展示替えのたびに足を運ぶつもりでいる。
 吉兆庵美術館では、7月8日から10月1日まで「陶芸の魔術師 宮川香山 浮彫と彩色の美」という企画展を実施しており、湘南新宿ラインに揺られて駆けつけた。

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 小町通りは観光客であふれているけれど、店舗の右から細い道に入ると、驚くくらい静まり返っている。入口の自動ドアを通り、呼び鈴を押して受付をすませる。
「行かれることはないかもしれませんが、岡山の美術館の入場券もついています」

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 スタッフの女性から、チラシとリーフレット、入場券を受け取った。券があると、「じゃあ行ってみるか」という気になるから面白い。岡山に行く予定は未定。一応、とっておこう。
 館内は撮影禁止である。両目をしっかり開き、心に焼き付けなければ。幸運にも、私以外の客はおらず、心ゆくまで美術品の鑑賞ができた。
 特に素敵だったのは、チラシの真ん中にデーンと鎮座している「真葛窯変釉蟹彫刻壺花活」である。これは不動のセンターであろう。何度、総選挙をしようが、毎回ぶっちぎりの1位に選ばれそうだ。
 宮川香山は、ワタリガニを使った同様の花活を3種類作ったと聞いた。重要文化財に指定され、東京国立博物館にあるものが1つ、2つめはコレクターの田辺氏が持っていて、3つめを源吉兆庵が所有しているというから大したものだ。
 花活は、思ったよりも大きい。上から見ると楕円になっていて、幅は40cmくらいだろうか。ワタリガニは2匹いる。外側の大きなカニばかりが目立つのだが、内側に小さなハサミを持つ子ガニが、守られるように隠れているのだ。きっと、お母さんと子どもなのだろうと想像した。長い足をシャカシャカ動かして、今にも花活から離れそうなリアルさに、陶芸家の鬼才ぶりがわかる。
 写真から「すごい」と感じた方は、ぜひ実物を見ていただきたい。本物の迫力はけた違いだ。きっと、「はるばる来たぜ鎌倉へ」という気分が盛り上がり、目の保養をしたことに満足されるだろう。
 現在休館中だが、神奈川県立歴史博物館にも宮川香山の作品があるらしい。2018年4月下旬までに改修を終え、展示を再開するとホームページに書いてあった。再開すれば、真葛ミュージアムとの2本立てで楽しめそうだ。
 また、追いかけていきます!

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