2015年09月26日

30分限定 日光田母沢御用邸

 特急に乗って日光に行った。東武日光駅からバスで移動すれば安上がりだが、いかんせん本数がない。年寄りもいることだし、少々奮発してタクシーを頼むことにした。
「華厳の滝に竜頭の滝、湯滝のあと、光徳温泉で下車ですか。それだと3時間コースですよ」
 タクシー会社と事前にコースの打ち合わせをしたとき、見たいスポットだけでは30分ほど時間が余るとわかった。かといって、東照宮などビッグな場所では時間が全然足りない。30分くらいで見られる場所はないかと相談したら、ここを勧められた。
「田母沢御用邸はいかがでしょう。ちょうど行程の途中にあるんですよ」
「あら、行ったことないです。じゃあ、そこで」
 しかし、ここはそんなに短時間で見られる場所ではなかった。まず、入口から建物までの距離が長い。
 それもそのはず、旅行誌を見ると、日光田母沢御用邸記念公園と書かれている。そうか、公園だったのかと納得した。
 ようやく建物に着いた。

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「ほえーっ、立派な建物だねぇ」
 同行した娘と姪が驚きの声を上げる。
「そりゃ、御用邸だもん。大正天皇のご静養のため作られたって書いてあるよ」
 中では写真を自由に撮ることができる。窓からの風景もなかなかだ。

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 珍しい展示物が並んでいて、楽しみながら写真を撮った。

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 和室にシャンデリアという組み合わせがユニークだ。

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 ここはビリヤード場らしい。

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 そういえば、上野の旧岩崎邸にも撞球室があった。当時の流行りだったのかもしれない。
 謁見所。

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 意外にシンプルである。

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 トイレも、畳まで敷かれており、用を足すのが悪い気がする。
 もちろん、来客用ではないが……。

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 ここで窓が気になった。以前に旧古河邸を訪れたとき、古いガラスは粒子が粗いと教わったことがある。この部屋の窓も、すべて年代物に見えた。
「はい、こちらは大正時代のものです」
 あちこちに配置されている係員が教えてくれた。
「隣は明治時代です」
「へー」

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 さらに古いガラスを見て、保存状態のよさに皇室の力を感じた。
「こちらは、もっと古くて江戸時代です」
「えっ」
 江戸時代にガラスがあったのかと仰天したら、そうではなくて、壁に描かれた梅の絵であった。

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 いったい、この絵は何歳になるのだろう……。
 時代はわからないが、他にも素敵な絵の数々が見られる。

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 別の部屋に行くと、また別の係員が説明をしてくれる。
「畳をご覧ください。ちゃんと柄合わせをしているんですよ」

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 実家の畳とはえらい違いだ。
 御用邸は風通しがよかった。部屋も広々としているし、ここで暮らしたら、寛大な気持ちで過ごせそうな気がする。

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 桜のシーズンになると、樹齢400年のしだれ桜が華やかに咲き誇るという。まるで時計が止まったかのようなたたずまいに、伝統文化の香りがした。

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「あー、時間オーバーだ。そろそろ行かなくちゃ」
「え、もう?」
 とても30分では見切れない。何しろ、部屋数が106室ある巨大な建物なのである。最低でも1時間はかかるとわかった。残念ながら庭園は見ずに、あわただしく靴をはいた。
 そのままタクシーに乗り込むはずだったが……。
「あっ、ソフトクリーム」
 娘と姪が離れの建物を指さしている。空いていて、ゆっくり食べられそうだ。
「じゃあ、食べちゃおうか」

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 これがとても美味しかった。牧場で食べるものと同じくらい、クリーミーでまろやか。滝付近の混雑した中でいただくより、ずっと落ち着く。
 急いでいることはどうでもよくなった。
「じゃあ、行きましょうか」
 全員が満足して退園する。
 きっと、このソフトクリームは皇室御用達の味だったのだ。
 次回ここに来るときは、時間にゆとりを持とうと反省した。

※ 他にも、こんなブログやってます。ぜひぜひ、ご覧になってください♪
 「これはしたり〜笹木砂希〜」(エッセイ)
 「うつろひ 〜笹木砂希〜」(日記)
posted by 砂希納言 at 21:57| Comment(2) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いい寄り道でしたね。
日光っていったら東照宮と華厳の滝しか浮かびませんが、こういうふうに紹介されると自分の趣味に片寄らないところに行けていいのかも…。
今度はゆっくりのんびり巡ってください。
Posted by 心機朗 at 2015年10月01日 19:02
>心機朗さん

はい、思わぬ目玉商品を見つけた気分です(笑)
東照宮はもっと時間のあるときにゆっくり。
日光は見どころが多いですね。
私も片寄った場所ばかりを見ていました。
地元の人に聞くのが一番かも。
Posted by 砂希 at 2015年10月01日 22:54
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