2016年07月30日

思い出いっぱい「LaLa原画展」

「池袋西武でLaLa展やるって。見に行こうよ」
 声をかけてくれたのは大学2年の娘である。そんなイベントがあるとは露知らず、うっかり見過ごすところであった。教えてくれてありがたい。
「清水玲子の絵はいいよね」
 何年か前、娘に『輝夜姫』を読ませたら、すっかりハマってしまったことがある。いまどきの漫画家に比べて、絵がキレイでストーリーも凝っており、「クオリティが高い」んだそうな。
 日程を調整して、いそいそと池袋まで出かけた。

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 入口にたどり着いたとたん、私の心は高校時代にタイムスリップした。真っ先に目に入ったのは、成田美名の絵だ。夢中になるほど好きではなかったけれど、たまらなく懐かしい。
 入口付近に、私よりも幾分年下と思われる女性2人組がいた。
「あの頃は○○さんが人気で」
「そうそう! アニメ化されたし!」
 彼女たちもタイムスリップしているのか、声量まで高校時代に戻っている。かなり騒々しいので、大人の分別を取り戻してほしいところだ。さっさと抜かして歩き、雑音とサヨナラした。
 LaLaは今年で40周年を迎えるらしい。私が熱心に読んでいたのは、創刊10年目あたりか。前半はストライクの漫画家が多かったが、知らない漫画家も多かった。
「あ、藤原ヒロだ」
 私が知らなくても、娘が知っていたりする。世代交代しても、雑誌が人気ならそれでいい。
「清水玲子だ!」
 2人がファンの漫画家には、じっくり時間をかけて鑑賞する。
 さすがに原画は、印刷物より格段に美しい。今はパソコンを使うこともできるが、創刊当時はすべて手作業だったはず。清水先生の丁寧で正確な描画を目のあたりにして、口が半開きのままになった。
「この絵、見たことない」
「『月の子』のベンジャミンだよ。これも持ってるから、今度貸してあげる」
「わーい」
 娘に別の漫画を貸す約束をして次に進んだ。
 鑑賞していた40分間は、高校1年生のクラスを思い出していた。毎月LaLaを買っていたのは紀子。読み終わったら学校に持ってきて、回し読みをしたのだっけ。授業中でも待ち切れず、バレないように続きを読んだ。いいところで終わった連載は、次号が待ち遠しくて気が狂いそうになり、結局自分で買うことにした。
 美形のキャラの冒険や恋愛は、現実にはあり得ないことだとわかっていても、少女たちの未来に夢を与えてくれる。私の人生にも、この先、多少はドラマチックなことが起きるかもしれない、という類に。
 決してバラ色ではなかったが、空色やレモン色などの淡いイメージで人生を描いていた気がする。
 出口付近にも清水玲子の原画があった。ここを通り過ぎると売店となり、現実に引き戻される。タイムスリップは終了だ。
 実際の私の人生は何色になるのやら。淡い色でないことは確かで、濃い人生を送ってきた。レンガ色あたりが妥当ではないかと思っている。
 さて、売店では、公式ビジュアルブックと

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 クッキーを買ってきた。

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 中は、こんな感じになっている。

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 お菓子がなくなっても、薬などの小物を入れて使いたい。
 ビジュアルブックでは、再会できてうれしい漫画家が何人もいた。
 山岸凉子。

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 以前、『日出処の天子』を娘に読ませたが、「絵が嫌い」と拒否されて悲しかった。
 木原敏江。

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『摩利と新吾』は名作だ。何度泣かされたかわからない。他にも琴線に触れる作品が多く、電車の中では読むと下を向き続ける破目になる。
 大島弓子。

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 浮世離れした作風が、現実の悩みや苦しみを吹き飛ばしてくれた。楽天的に生きてこられたのは、チビ猫のおかげかもしれない。
 ひかわきょうこ。

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 妹が『彼方から』を揃えていたので、全巻借りて読んだ。『荒野の天使ども』も読んだことがあるが、登場する男性が強くて正義感にあふれており、「こういう人が彼氏ならいいな」と夢を膨らませた。
 樹なつみ。

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 初期の頃からのファンである。『蛍たちは笑う』という作品が好きで、繰り返し読んでいたら、続編がいくつも飛び出して、もっと好きになった。どの作品にも、読者の心をつかむ言葉が随所に散りばめられており、新刊が出るたびに「この作品に出会えてよかった」と思える数少ない漫画家である。
 清水玲子。

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 キャラも背景も小道具も、描くものすべてが美しい。色彩感覚も素晴らしく、漫画を超えた芸術品の域に達している。作品を読んでいると、現実逃避したくなるのが難点か。
 青池保子に萩尾望都、かわみなみもいたけれど、切りがないので割愛……。
 仕事に追われる今は、楽しませてもらった作品を読み返す気になれない。
 定年退職後の楽しみにとっておこう。

※ 他にも、こんなブログやってます。ぜひぜひ、ご覧になってください♪
 「これはしたり〜笹木砂希〜」(エッセイ)
 「うつろひ 〜笹木砂希〜」(日記)
posted by 砂希納言 at 23:35| Comment(4) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たしかにキレイな作画ですね。「マーガレット」だったっけか?…とはエライ違い。作家さんの名前は聞き覚えあるけど「LaLa」は読んだことないです。僕は「りぼん」「なかよし」「花とゆめ」くらいですかね、読んでたのは…。最近は立ち読み出来ないので、面白いマンガに出逢いません。立ち読みは商売的にはダメなんだろうけど、全く読めないんじゃ、いい作品にも出逢えないですわ。スマホとかでも読めるんでしょうけど、ヤッパ漫画は本で読まないと…。
最近は本屋で選ぶのも面倒で、読書量はこの数十年は学生時代に比べたら1割程度かも…。
Posted by 心機朗 at 2016年08月02日 22:01
>心機朗さん

『花とゆめ』の妹みたいな存在ですよ。
出版社が同じだから、漫画家も似たり寄ったりです。
『コミック』も好きでした。
立ち読みでも、いい作品はわからないかも。
誰かに借りるのが一番なんじゃないかなぁ。
Posted by 砂希 at 2016年08月03日 18:13
母娘で感動を分かち合えるのが、素敵ですね。
うちがそうできないのは、男子だからか他が原因なのか・・・
山岸さん大島さん萩尾さん。
ベテラン漫画家さんの作品、今でもいろんなシーンが浮かびます。
読み返したいけれど、やっぱり老後の楽しみにした方がいいですね。
Posted by 白玉 at 2016年08月03日 22:42
>白玉さん

萩尾さん、青池さんも載っていました。
でも、彼女たちは白泉社ではない気がします。
萩尾さんは小学館、青池さんは秋田書店なのでは。
一度短編を掲載したくらいで、取り上げるのもどうかと思いました。
やはり、私の中では清水玲子や樹なつみなんですよ。
男子とこの思いを分かち合うことができるかどうか…。
男の子がいないので謎です。
Posted by 萩尾さん at 2016年08月04日 21:46
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