2016年11月26日

夜の科博「ラスコー展」

 11月18日金曜日。
 夜の科博に忍び寄る。

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 大きなシロナガスクジラも、ライトアップされて妖しい魅力を放っていた。

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 目指すは「ラスコー展」。
 金曜限定ペア得ナイト券なら200円、じゃなかった2000円で入れるから、前売券は買っていない。
 見どころは3つ。
 1つ目は「洞窟壁画の最高傑作を間近で体感」。
 ラスコー壁画は、今から約2万年前にクロマニョン人が描いたものだそうだ。当時は氷期で今よりも気温が低く、草原の中をマンモス、オオツノジカ、ホラアナライオンなど、その後絶滅してしまう運命の大型動物たちが歩き回っていたという。
「お母さん、オオツノジカの隣の動物を見て」
 大学2年の娘が指をさして話しかける。
「ん?」
「クサイって書いてあるのかと思った」
 正しくは「ケサイ」だが、よく似ている……。

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「あはははは」
「はっはっは」
 周りは仕事帰りのOLやサラリーマンばかり。こんなバカ話をしているのは私たちだけだろう。
 壁画が発見されたのは1940年。ほんの76年前である。マルセル君という少年の飼い犬が穴に落ち、彼は犬を助けようとして、偶然、洞窟と壁画を見つけた。ドジなアホ犬であっても、クロマニョン人の大きな遺産を、世に知らしめるきっかけを作ったのだから偉い。
 人気が爆発したのは1940年10月以降。1948年には階段、照明、床などが整備され、1958年には空調設備が取り付けられたこともあり、1963年までの間に100万人以上が壁画を見に訪れたという。
 ところが、1950年以降、洞窟内には緑、白、黒のシミが発生し、危機的状況を迎えた。原因は洞窟を訪れる客である。人が呼吸することで、洞窟内のバクテリア、藻類、菌類が増殖し、炭酸塩が分解・沈殿して、壁画が破壊されるリスクが高まってしまった。
 やむなく、1963年4月17日以降、ラスコー洞窟は公開を取りやめ閉鎖する。私が生まれる前に閉鎖されていたとは思わず、ひどくガッカリした。
 おそらく、同じ想いの人はたくさんいるだろう。そこで、ラスコー洞窟の近くには、レプリカが製作されたらしい。今回の展示では、3次元レーザースキャン技術などを駆使して、さらに精巧な実物大のレプリカを完成させたというから楽しみだ。
「褐色のバイソン・ヤギの列・ウマの列」

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「泳ぐシカ」

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「黒い牝ウシ・ウマの列・謎の記号」

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「背中合わせのバイソン」

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「井戸の場面」

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 洞窟を抜けると、オオツノジカのレプリカがドーンと仁王立ちしていた。左右に大きく広がる角の重さは、45kgにもなったという。

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 見どころの2つ目は「芸術のはじまりを知る」。
 ネアンデルタール人までの遺跡には、芸術的要素がゼロだったそうだ。だが、クロマニョン人は違う。仕留めたトナカイの角などに、動物たちの絵を刻んだり、その道具としての彫刻刀も見つかっている。また、洞窟には黄・赤・琥珀色などバリエーションに富んだ色の絵の具(顔料)が残されていた。
 残念なことに、このエリアは撮影禁止であった。
 写真は、チラシに掲載されたものをご覧になっていただきたい。

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 見どころの3つ目は「クロマニョン人の正体を解き明かす」。
 展示の冒頭に、クロマニョン人の母子の模型がある。アクセサリーを身につけ、ボディペインティングが行われていたそうだ。

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 こちらは第5章にある夫婦? の模型である。

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 女性は貝殻のビーズをつけた頭飾りを身につけ、寒さから身を守るために動物の毛皮を積極的に利用していた。骨で縫い針を作り、高度な裁縫技術を生み出すことで、機能的な衣服を着たと見られている。
 狩猟具も多彩で、石だけでなく角も利用して様々なタイプの槍先を作り出した。しかし、ここも撮影禁止……。
 クロマニョン人の外見は、現代人と変わらないらしい。ホモ・サピエンスはアフリカで進化し、5万年前から世界中へ大拡散した。その中で、ヨーロッパにやってきた集団がクロマニョン人と呼ばれている。
 男性は身長176cm・体重71kgで、女性は身長164cm・体重60kgと推定されており、ネアンデルタール人の男性166cm・78kg、女性が161cm・68kgと比較すると、スラリとした体型であった。
 現代ヨーロッパ人は、クロマニョン人との遺伝的なつながりがあると確認されているが、西アジアからの大規模な集団や東方からの騎馬民族とも混血することによって、形づくられたと考えられている。
 ふむふむ。
 勤務後で、脳が学習を拒否する割には、そこそこ理解できた。
 レプリカではない、ほんまもんの写真も展示されていた。

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 いいな〜。私もカメラマンになればよかった。今さら無理だけど……。
 最後におみやげを買う。
 バウムクーヘン。

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 壁画チックな絵柄がついていて楽しい。

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 しかし、トイレットペーパーに見えないこともないが……。まあよい。
 ビーフジャーキー。

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 スーパーやコンビニの商品と大差ないと思うのだが、なぜか娘が「うまそうだ」と食べたがり購入する。
 あー、収穫、収穫。
 知識と食料をゲットし、暗闇に浮かび上がる科博をあとにする。

※ 他にも、こんなブログやってます。ぜひぜひ、ご覧になってください♪
 「これはしたり〜笹木砂希〜」(エッセイ)
 「うつろひ 〜笹木砂希〜」(日記)
posted by 砂希納言 at 14:03| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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