2017年08月04日

鎌倉・吉兆庵美術館 宮川香山展

 私は陶芸家・宮川香山の追っかけをしている。
 といっても、ご本人ではない。作品である。宮川香山は昭和20年の横浜大空襲のため、4代目で途絶えてしまった。新たな傑作が生み出されるわけではないが、展覧会開催の情報を聞きつけては、あっちだ、こっちだと追いかけていく。
 大変だねって? いやいや、まったくそんなことはない。むしろ、楽しい。
 先日は、鎌倉にある吉兆庵美術館まで足を運んだ。

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 宮川香山の作品では、田辺哲人氏のコレクションが有名だ。それから、山本博士氏、源吉兆庵のコレクションが続くと聞いた。山本氏は、横浜の真葛ミュージアムでコレクションの一部を展示しており、今まで2回見に行った。展示替えのたびに足を運ぶつもりでいる。
 吉兆庵美術館では、7月8日から10月1日まで「陶芸の魔術師 宮川香山 浮彫と彩色の美」という企画展を実施しており、湘南新宿ラインに揺られて駆けつけた。

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 小町通りは観光客であふれているけれど、店舗の右から細い道に入ると、驚くくらい静まり返っている。入口の自動ドアを通り、呼び鈴を押して受付をすませる。
「行かれることはないかもしれませんが、岡山の美術館の入場券もついています」

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 スタッフの女性から、チラシとリーフレット、入場券を受け取った。券があると、「じゃあ行ってみるか」という気になるから面白い。岡山に行く予定は未定。一応、とっておこう。
 館内は撮影禁止である。両目をしっかり開き、心に焼き付けなければ。幸運にも、私以外の客はおらず、心ゆくまで美術品の鑑賞ができた。
 特に素敵だったのは、チラシの真ん中にデーンと鎮座している「真葛窯変釉蟹彫刻壺花活」である。これは不動のセンターであろう。何度、総選挙をしようが、毎回ぶっちぎりの1位に選ばれそうだ。
 宮川香山は、ワタリガニを使った同様の花活を3種類作ったと聞いた。重要文化財に指定され、東京国立博物館にあるものが1つ、2つめはコレクターの田辺氏が持っていて、3つめを源吉兆庵が所有しているというから大したものだ。
 花活は、思ったよりも大きい。上から見ると楕円になっていて、幅は40cmくらいだろうか。ワタリガニは2匹いる。外側の大きなカニばかりが目立つのだが、内側に小さなハサミを持つ子ガニが、守られるように隠れているのだ。きっと、お母さんと子どもなのだろうと想像した。長い足をシャカシャカ動かして、今にも花活から離れそうなリアルさに、陶芸家の鬼才ぶりがわかる。
 写真から「すごい」と感じた方は、ぜひ実物を見ていただきたい。本物の迫力はけた違いだ。きっと、「はるばる来たぜ鎌倉へ」という気分が盛り上がり、目の保養をしたことに満足されるだろう。
 現在休館中だが、神奈川県立歴史博物館にも宮川香山の作品があるらしい。2018年4月下旬までに改修を終え、展示を再開するとホームページに書いてあった。再開すれば、真葛ミュージアムとの2本立てで楽しめそうだ。
 また、追いかけていきます!

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 「これはしたり〜笹木砂希〜」(エッセイ)
 「うつろひ 〜笹木砂希〜」(日記)
posted by 砂希納言 at 21:03| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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