2015年07月04日

最後のディナー? 村上開新堂

 年に何度か豪華なディナーをいただくことがあった。
 メンバーと疎遠になったこともあり、最近ではさっぱりだったが、久しぶりにお誘いを受けたので出かけることにした。
「村上開新堂に行ってみる? あそこは紹介制だから、一見さんお断りなのよ」
「へえ〜、行ってみたいです」
 何度か行ったという涼子さんがアポを取り、半蔵門へ。しかし、運悪く当日は大雨。出かけるのがイヤになったが、約束した以上、行かねばなるまい。駅から近い場所にあるのが唯一の救いである。
「いらっしゃいませ。お席にご案内します」
 1階からエレベーターに乗り、2階で下りる。1階で見送ってくれた店員さんが2階で出迎えるところを見ると、階段を小走りに上ってきたのだろうか。階段を走る姿を想像したら、少々気の毒になった。一緒に乗ればいいのに、と思うのだが。
 店内は小ぢんまりしている。
 シャンパンで乾杯したあと、さっそくコース料理に入る。

 温かいパイの前菜(チーズ、ビーフ、トマト風味)

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 徳島県産ハモの焙り焼 胡瓜と青紫蘇のガスパチョ

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 ここで店員さんから注意を受ける。写真を撮るときは、シャッター音を切ってほしいということだった。
 設定を確認してみたが、シャッター音は切れない仕組みになっているようだ。
「くううう〜」
 ……残念ながら、写真はあきらめた。

 若アユのから揚げとパテ ズッキーニと香味野菜のサラダ添
「アユが泳ぐ姿をイメージして盛り付けました」
 説明通り、小さなアユがスイスイ泳いでいるようだが、お見せできなくて残念。
 コース料理は、まだまだ続く。

 ズッキーニのスープ
 冷たいヴィシソワーズもあったが、クリーミーなのにさっぱりしていていい味だった。

 ビュルゴー家のシャラン鴨ロースト 季節の野菜添
 鴨はベーコンのように長くカットされ、軟らかく仕上がっている。トリュフの入ったブラウンのソースとよく合い、「これにしてよかった」と親指を立てたくなった。
 お料理はここまでで、次はデザートだ。

 開新堂ゼリー
 赤、青、茶、黄、白、緑……。色とりどりのゼリーが、大皿に載って運ばれてきた。鶏卵ほどの大きさで、キチッと整列すると迫力がある。皿の振動に合わせて体をくねらせ、オシャレなダンサーが勢ぞろいして躍っているようだ。
「ここからお二つお選びください」
「じゃあ、私は抹茶とワインにします」
 涼子さんは緑と赤のカラフルな組み合わせにしたが、私はチョコレートとミルクというこってり系のコンビにした。ミルクには桃の果肉が入っていると聞き、狙っていたのだ。チョコレートはややビターで、コクがあった。
「おいしい」
 お料理もよかったけれど、私はゼリーが一番気に入った。他の店には真似できない、トラディショナルな香りが漂ってくる。
 デザートはもう一品。
 ビワのコンポートとコーヒーで締めくくる。
 初めて行った店だが、お料理が出てくる間隔が絶妙である。早すぎず遅すぎず、ちょうどいいタイミングで運ばれてくるから、21時ころには店を出られた。
 しかし、仕事のあとのディナーは、そろそろ面倒になってきた。若いころは、むしろ楽しみだったのに、年齢とともに「早く帰りたい」となったのだろう。もしかしたら、今日が最後のディナーになるかもしれない。
 次に来るとしたら、ランチがいい。昼の部は紹介制ではないから、気楽に楽しめそうだ。
 えーと、シャッター音の出ないデジカメなんてあったかしら……。

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2015年05月31日

ハーフサイズのお年頃

 このところ、空腹感を感じることがなくなってきた。
 同時に、体重も1kgほど増えている。これは食べ過ぎに違いない。40代半ばを過ぎ、代謝が落ちてきた証拠だろう。

 食事を減らさなくては……。

 今までの半分くらいでいいような気がする。
 消化能力を超えた食事を続けると、胃腸がくたびれてしまう。ひとまず、お腹が空いたと感じるくらいまで、食事を減らすことが大事なのではないか。
 危機感を感じて、早速、今日のランチから実践することにした。
「さて、今日はスパゲッティにしようかな」
 棚を見ると、「イセエビのトマトクリーム」というパスタソースがある。これを使おうと思ったのだが、スパゲッティの量を半分にすると、パスタソースが余ってしまう。もったいないからやめておく。
「明太子にすればいいか」
 いいことを思いついた。
 茹で立てアツアツのスパゲッティに、バターと明太子を和えると、それはそれは美味しいパスタができるのだ。しかもお手軽。安上がり。いいことづくめである。
 まずは、材料を用意する。
 明太子を皮からはがし、皿にあける。あとは、バターを10gほど用意する。

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 バターは品薄で争奪戦となっているが、うちは生協で調達することができる。加盟していてよかった。
 これに、茹で立てのスパゲッティを入れて混ぜるだけ。馴染んだら、きざみ海苔をかけていただく。

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 明太子の辛味もさることながら、バターの存在感が大きい。こってり感とつぶつぶ感が組み合わさり、何ともまろやかな料理のできあがりだ。
 たっぷり野菜のコンソメスープに、フルーツも用意した。
 あとはビールも……。
 休日の、幸せなランチタイムである。
 いい一日だったなぁ。

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2015年05月04日

見応え十分 〜 大英博物館展

 本場・ロンドンの大英博物館に行ったのは2013年のこと。夏休みの混雑時に、ツアーでほんの90分ほど立ち寄っただけなので、目玉の展示をいくつか見ただけで終わってしまい実に物足りなかった。
 だから、東京都美術館で「大英博物館展」なる催しがあると知ったときには、急いで前売券を買った。日本に来るものだけでも、ゆっくり鑑賞したいと思ったからだ。

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 サブタイトル「100のモノが語る世界の歴史」に示されている通り、展示品はちょうど100種類ある。所要時間は1時間と見込んで家を出た。金曜日は8時まで開館しているから、レストランでディナーをいただいて帰ればよい。
 今回の展示は時系列に並んでいるようだ。001番は、200万〜180万年前の「オルドヴァイ渓谷の礫石器」であった。
「うーん」
 私は首をひねった。どう頑張っても、これは普通の石にしか見えない。どこかの川辺に落ちていそうな、黒くて大き目の石である。
 私は作品リストに鉛筆をすべらせ、「単なる石」とメモをした。
「わっ、単なる石だって。失礼なこと書いて」
 横からリストを覗きこみ、大学1年の娘が茶々を入れる。彼女は高校で世界史を選択していたので、最初からテンションが高かった。
「縄文土器があるけど、大英博物館から借りてきたってこと?」
「古代エジプトの化粧パレットだって。ウシの形はどれかな」
「ヒスイは遺体を腐敗から守るって書いてあるよ」
 まだ010番あたりなのに、相当興奮している。いい展示は序盤から盛り上がるものなのだ。
「あっ、これ、大英博物館で見たやつだ」

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 013番「ウルのスタンダード」を目にしたときは、私もハイになった。ロンドンで見たときのワクワク感が蘇ってくる。もう見ることもないと思っていたのに、今度はあちらのほうが日本に来てくれてうれしい。
 021番「ラムセス2世像」も印象に残っている。たしか、大英博物館には、もっと大きくて大仏並みのラムセス2世があったはずだ。説明文を読むと「自分の像を数多く制作することで、民に権力と権威を伝えられることを理解していた」と書かれており、その通りだと納得した。
「あっ、リディア王クロイソスの金貨だって。先生が、世界最古はリディアですと言ってた」
 展示品に触発されて、娘は世界史の話をしたくなったようだ。
「ゾロアスター教も勉強したよ」
「アレクサンドロス大王、懐かしい〜」
「ロゼッタ・ストーンはレプリカなんだね。本物は絶対貸してくれないだろうな」
「ミトラス神なんて聞いたこともない」
 私は世界史に疎いので、まったくついていけず、ひたすら聞き役に徹した。もっとも、聞いたところですぐに忘れてしまうのだが。
 048番「ホクスンの銀製胡椒入れ」も興味深かった。これは350年〜400年頃のものらしいが、当時胡椒には高い値打ちがあったようで、1ポンド(450g)が兵士2週間分の給料に相当したという。
 053番「マヤ文明の祭壇」には、シーサーに似た彫り物があって、思わずニヤリとした。
 073番「柿右衛門の象」は、佐賀県有田町の色絵磁器であるが、KENZOやイッセイ・ミヤケを彷彿とさせる色づかいが素晴らしい。

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 大英博物館でも、ひときわ目を引いたのではないだろうか。
「この展示で何が一番よかったか」と聞かれたら、私は迷わず077番の「両面式のカメオ」を選ぶ。絵柄はさておき、色も素材も宝石も、何もかもが美しい。

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 091番「自在置物(ヘビ)」もよくできていた。これは鉄を素材にして、わが国で制作されたものだが、実にリアルな質感が再現されている。飽きずに何分でも見たくなる傑作である。
 最後は、「銃器で作られた『母』像」に衝撃を受けた。

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 凶器を、新しい命、再生、保護の象徴である「母」に変えるとは。モザンビークで作られたものらしいが、世界が平和であることを切実に祈る思いが伝わってきた。
「あ、もう7時過ぎてる」
 出口で時計を見たら、2時間近く経っていたことに気づいた。1階のレストランはラストオーダーが7時までだから間に合わない。2階のレストランは7時半までだから、すべり込みセーフでビーフカレーにありつけた。

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「いい展示だったね〜」
「満足満足」
 久しぶりに、美術館で充実感を味わう。やはり、大英博物館はすごい。
 またロンドンに行く機会があったら、今度こそじっくり見て回りたい。

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2015年03月29日

ルーブル美術館展特別ランチ

 国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展」に行った。
 サブテーマは「日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」であるため、目の保養になるような絵はないだろう。あまり期待せず出かけた。
 作品リストと並んで、入口にはジュニア向けの解説誌が置いてある。

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 専門家の小難しい批評は、とっつきにくいし面白くない。こちらの方がわかりやすいばかりか、コナンが登場すると妥当な解釈に思える。手に取って正解だった。
 さて、表紙にもなっているフェルメールの「天文学者」は、この展示最大の目玉である。フェルメールの作品は数が少なく、三十数点しか残っていないうちのひとつらしい。ガラス張りとなって厳重に守られ、立ち止まって見たい人は外側レーンに、立ち止まらず近くで見たい人は内側レーンに並び、思ったより小さな絵を鑑賞する仕組みになっている。
 しかし、ガラスごしに絵を見ても、臨場感がわいてこない。光で視界が遮られるし、家でチラシの写真を見たほうが、楽しめるような気がするのだが。
 今回のテーマは、素人の私にとって難しかった。16〜18世紀の生活は貧しく不衛生である。日常生活を描くと、「鳩売り」「魚売りの屋台」「買い物帰りの召使い」など、およそドラマティックな世界とは無縁の絵が並ぶことになる。気が滅入ってしまい、人々のいきいきとした描写を感じ取ることはできなかった。
 さらに、「抜歯屋」「物乞いたち」「蚤をとる少年」「神殿から追い出される商人たち」にいたっては、「痛そう」「かゆそう」などとげんなりし、列に並ぶこともなく通り過ぎた。「ナポレオン一世の戴冠式」のように、華やかで非日常の絵を期待してはいけないとわかっていたけれど、風俗画を読み解く技術のない者には荷が重かった。
 風俗画といっても、すべて真実を描いたものではない。猿まねが得意な、模倣の芸術家を揶揄した「猿の画家」は楽しかった。(絵の写真はすべてリーフレットから)

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 ピリッと香辛料が効いたような風刺は、どの時代にも通用するユーモアだ。今回の展示の中では、一番気に入った作品である。
 展示に満足できないと、おみやげも買う気にならない。ショップを素通りし、目指すは3階のレストランだ。実のところ、本命は展示ではなくランチだった。すでに長蛇の列ができているが回転は早い。20分ほど待って席に着く。
「ルーブル美術館展特別ランチコースをお願いします」
 ホームページで確認したら、キレイでとても美味しそうだったのだ。絵はさておき、こちらの芸術を堪能することが、その日の目的だった。
 前菜「鴨フォアグラのソテー 薫り高い黒トリュフのソース 胡麻と柚子風味の米のガレット アスパラガスのデュオ オランデーズソース」
〜ヨハネス・フェルメール《天文学者》より〜

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 ガチョウには悪いけれど、やはりフォアグラは美味しい。ガレットと合わせて天球儀を表現しているのだろう。黒トリュフのソースは絵の雰囲気を忠実に醸し出し、香ばしさにグッときた。

 ランチは、肉料理か魚料理のどちらか一品となっている。ディナーは両方ついてくるから、どちらも味わいたいときは夜がいいだろう。
 私は鴨が好きなので、肉料理を選んだ。
 肉料理「鴨胸肉のロースト 黒胡椒風味の赤ワインソース グリーンピースのピューレ きのことじゃがいものコンフィ」

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 じゃがいものコンフィの三角形が、ルーブルのピラミッドを表しているらしい。きのこがやたらといい味で、まずつけあわせから食べた。鴨はしっとりとしていてやわらかく、スパイシーな赤ワインソースとのコンビネーションに思わず唸る。グリーンピースのピューレも、クリーミーで風味が生きていた。
 デザート「ガトーオペラ コーヒー風味のアングレーズソース ミルクアイスとオレンジ添え」
 〜リュバン・ボージャン《チェス盤のある静物》より〜

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 ん? この絵は記憶に残らなかったけれど、デザートのイメージにピッタリだから選ばれたのかしら。

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 たしかに、すごい再現力である。右にはチェス盤に花、左にはアングレーズソースのテーブルの上に、ミルクアイスのパン、オレンジのリュートを表しているようだ。しかも、甘味に酸味、冷菓の織り成す組み合わせがイケる。
 美味しいものの力で、私はこの絵も好きになった。
 明日は、同時開催中のマグリット展に行く予定だ。
 特別メニューの予定はないのかしらん。

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2015年02月28日

ねんりん家の季節

 私がひいきにしている「ねんりん家」には、季節限定のバームクーヘンがある。

 2014年 秋。
 10月にいただいたものは、「モンブラン・デコレ」なる枯葉色の一品だった。

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 まず、渋い外見に目を奪われる。
 年代に表すと、40代後半のナイスミドルといったところだろうか。
 こめかみ付近の黒髪が、ちょうどこんな色に変わるお年頃である。
 スリムなボディーは、ジムに通い、トレーニングをしている証しだろう。
 しかし、甘い、甘すぎる……。
 一人で1本は無理だ。家族3人で分けて、ちょうどよかった。もう少し甘味を抑えれば、一人1本食べたくなるので、売り上げもアップするんじゃないだろうか。

 2015年 冬。
 バレンタインデー特設会場に行くと、実に華やかなバームクーヘンがあった。
 年代にすれば、20代前半。
 青臭い小僧であるが、アカデミー賞ならば、衣装デザイン賞にノミネートされそうな装いがイケてる。

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 10年前のオーランド・ブルームを彷彿とさせるような、美形なバームに胸がときめいた。
 しかし、これも甘いんじゃないだろうか……。
 食べればわかるが、これは甘味を抑えた仕上がりとなっていた。年輪の間にもチョコレートが挟まっているのに、全然くどくない。

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 さらに、ところどころに飾られた、丸い仁丹のようなチョコレートが、サクサクしたパフになっていて、歯ざわりが楽しめる。
 とても美味しかったのに、2月14日までだったものだから、一度しか食べられなかった。
 ぜひ、通年販売してほしいものだ。
 そして、2015年 春。
 「桜の国のマウントバーム」という商品が売り出されていた。
 もちろん買ってみる。

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 バームクーヘンは黄色という思い込みがあったが、春らしいピンクに仕立てられており、斬新なイメージだ。
 チョコレートがかかっているとうれしいのだが、春はさわやかでなければいけない。
 ここはあえて、薄着にしたのではないかと勘繰った。
 お味のほうは……。
 当たり障りのない、八方美人な味とでもいえばいいのだろうか。
 やわらかく包み込むような、ふんわりとした食感のほうが印象的に残った。
 春は、出会いと別れの季節。
 お世話になった方に贈るには、ちょうどいいだろう。
 感謝の気持ちが伝わるに違いない。

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2015年01月31日

第63回 東京藝術大学 卒業・修了作品展

 私は美術館や博物館が好きだ。
 ときどき、記事にアップしているせいか、マイミクさんから耳寄り情報をゲットした。
「東京藝術大学の卒業・修了作品展がすごいらしいですよ」
 どうやら、マイミクさんのマイミクさんが行かれたらしい。
 直接の面識はないが、口コミは大事だ。ちょうど時間もあったので、上野まで出かけることにした。
 上野公園から東京国立博物館を抜け、左折したところにかの大学はある。かなりの人出で、最終日の熱気が伝わってきた。

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 構内は広く、展示棟も複数にまたがっている。私が見たのは、東京芸術大学美術館、総合工房棟、絵画棟、陳列館、正木記念館のみだ。第一会場の東京都美術館や、彫刻棟にも行きたかったのだが、疲れてきたので割愛した。
 退廃的、猟奇的な作品は苦手なので、足早に通り過ぎる。写真もさほど好きではない。
 でも、プロ顔負けのハイレベルな作品も多く、着眼点の豊かさにため息が出た。この中から、世に出て活躍するアーティストが生まれるに違いない。持てるエネルギーを注ぎ込んだ、渾身の作品は見ごたえがあった。
 印象に残っているものがいくつかある。
 まず、巨大な布張りの木工用ボンド。天井に届くほどの大きさで、ロゴやら注意書きやらが、本物そっくりに再現されている。見ていて楽しいし、触れるとフワフワしていて手触りもいい。記念写真を撮っているグループも多かった。私も写真を撮らせてもらったが、他人様の作品を勝手にアップするのは気がひけるので、想像をめぐらせていただきたい。
 油絵にも素敵な一角があった。小さなポートレートが壁一列に並んでいる。デッサンが実に正確で、遠くから見ると、まるで写真のように見える。手慣れたタッチで、安定感抜群の表情を描いている。
 ポートレートの向かい側には、雪道を走る複数の乗用車が描かれた、大判の作品が鎮座する。もし、この絵のポストカードが売られていたら、私は迷わず買うだろう。売り物になるくらい、上手だと感じた。
 一番気に入った作品は、直径1mを超える丸い形をしたオブジェだ。白が基調となっており、レース編みの縁取りに乙女心がくすぐられる。教会の薔薇窓を、華奢な手芸材料で表現したような繊細さに惹かれた。
 だが、気に入ったのは私だけではなかった。次から次へと人が集まり、全景がよく見えない。混雑してくると、面倒くさがりの私は次に進みたくなる。結局、ろくに写真も撮れないまま終わってしまった。
 展示は今日が最終日である。短気を起こしたことに、少々後悔した。
 陳列館の入口の、照明もレトロで美しかった。

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 1月は、実に忙しくて、あっという間に終わってしまった。
 ボロボロに疲れ、ひび割れた体が、きれいなものに触れて修復された気がする。
 さて、次はどこに行こう。

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2014年12月30日

クロワッサン こんな食べ方

 冷蔵庫を開けると、カルボナーラを作ったときの生クリームが残っていた。

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 賞味期限を過ぎているが、1日くらいどうってことはない。
 家庭科の先生が、「生クリームは、腐るというより乾いてダメになるんです」と言っていたことを思い出し、がぜん強気になった。
 キッチンにはクロワッサンがある。

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 昨日、生協から届いたばかりだから、食べたくなってきた。
 私が好きな、クロワッサンの食べ方をご紹介しよう。
 まず、タマゴサンド。
 パンの下にはハムを敷き、2つに割ったクロワッサンからあふれるくらい、たっぷりと載せるのがコツだ。
 マヨネーズはカロリーが高いので控えめに。塩も少な目にしたほうが、卵本来の味がわかっておススメである。
 次に、生クリームサンド。
 ボウルに、さきほどの生クリームの残りを入れて、泡立て器でシャカシャカとかき混ぜる。この生クリームは100mlの少量サイズだが、たしか30mlしか使わなかったので、70ml残っているはずだ。
 角が立つくらい泡立ったら、いったん冷蔵庫へ移す。できれば、前日に泡立てて、一晩冷やしたほうが扱いやすい。
 冷やした生クリームを、2つに割ったクロワッサンにつける。わざわざ、口金をつけて絞り出すのは面倒だ。バターナイフでクリームを伸ばし、盛り付けるように広げていく。
 これだけでも十分だが、冷蔵庫にはスプレーチョコもあった。生クリームにトッピングすると、さらに美味しくなる。

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「いただきまぁす☆」

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 まずはタマゴサンドから。
 時間短縮のため、私はポテトマッシャーでゆで卵をつぶす。白身の弾力性は感じられないが、その分、フワフワした食感が楽しめる。クロワッサンにしては軽い生地となじんで、あっという間に平らげた。
「さて、お次は……」
 スイーツ大好きの私にとって、生クリームサンドは格別の存在である。朝から、白くて冷たくて、ふわっととろける甘〜いクリームをいただける幸せは、まさに極楽。
 もし、朝に弱くて寝坊するのが悩みという、スイーツ好きの方がいたら、朝食を生クリームサンドにしてはいかがだろうか。目覚めれば生クリームが待っている、というご褒美があれば、早起きだって何のその。パッと目が覚め、布団から抜け出すことも可能だろう。そのくらいの魔力を、生クリームは持っている。
「満足満足……」
 朝食後の満ち足りた気分は、旅行先でもてなしを受けたときに似ていた。
 クロワッサンがないときは、バターロールや食パンでも代用できるので、一度お試しあれ。
 ただし、生クリームに魔力を感じていない方は、気持ち悪くなる場合があるので、ご遠慮ください。

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2014年11月24日

ラテアート入門

 誕生日にクリーマーをもらい、家でもカフェラテが飲めるようになった。
 美味しくいれられるようになると、少々欲が出てくる。

 よし、今度はラテアートに挑戦してみよう!

 季節は秋。
 紅葉も見納めという時期だ。
 再生紙を切り抜き、カエデの型を作る。

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 あとは、ココアパウダーを茶こしでパタパタするだけ。
 こんな感じに仕上がった。

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 スーパーに行くと、チョコレートのデコペンなるものがある。

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 湯煎で軟らかくすると、ラテに字が書ける。
 その頃、私は仕事で凡ミスを連発しており、ちょっと気合いが足りないと自覚していた。

 よし!

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 これを飲んで気合いを入れると、翌日からはミスも減った。
 でも、ゼロになっていないから、あとは集中力かも……。
 お菓子用品のコーナーには、3mm四方のフルーツゼリーなるものも売られていた。

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 赤、黄、緑の3色が入っている。
 これを使えば、クリスマスツリーができそうだ。
 ツリーの型を作り、ココアをパタパタしたら、ゼリーを並べてみる。

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 うん、まあまあでしょ。

 こんな感じで、ラテアートを楽しんでいる。
 今度は調子に乗って、3Dラテアートに挑戦したい。

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2014年10月30日

山手西洋館〜にぎやかなハロウィン

 横浜在住のブロ友YUMIさんから、「山手西洋館のハロウィンはすごい」と聞いた。私は西洋館が好きで、ときどき足を運ぶが、この時期には一度も行ったことがない。遅れをとってはならじと、早速見物に出かけた。
 私が通ったルートは、元町・中華街駅からスタートし、横浜市イギリス館から順に8つの西洋館を回り、最後のブラフ18番館を見たあとは、石川町から電車に乗って帰るコースである。

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 2時間ほど歩いただろうか。この日は天気もよく、お散歩日和だった。
 まずは、横浜市イギリス館。いきなり、魔女が柱に張りついている。

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 入口のリースが可愛らしくて気に入った。

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 エントランスには花と魔女、箒のトリオが並んでいる。色といい場所といい、申し分のない配置と感心した。ここの飾りが、一番ハイレベルなのではないだろうか。

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 階段には、コウモリの群れが飛んでいる。

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 目がついているし、体も膨らんでいる。手をかけて作ったものと感じた。
 階段の出窓には、ジャックにゴースト。三角形の配置は、見る者に安定感を与えると聞いたことがある。セオリー通りのバランスに、ついシャッターを切りたくなる。

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 ここでカメラのバッテリー残量が「9%」となっていることに気がついた。なんたる失態。ちゃんと充電してくればよかった。あとは、建物にこだわらず、気に入った飾りだけを撮るしかない。
 カフェの看板になりそうな魔女の影。コーヒーショップかと思うシンプルさがいい。

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 生け花風のアレンジが日本的で素敵だ。

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 仮面の飾り方がオシャレでよかった。

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 ちょっとグロいけどユニーク!

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 一見すると、何の変哲もない肖像画に見えるが……。

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 角度を変えると、コワ〜イ顔になったりする。

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 そうかと思えば、天使が舞い降りてきて、心が洗われる場所もあった。

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 これもキレイだ。
 ああ、癒される……!

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 蜘蛛の巣は、ハロウィンの必須アイテムなのだろうか。

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 テーブルクロスにも使われていたりして。

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 ふと、窓から見た景色は、旧古河庭園ぽくて美しかった。

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 外交官の家にはカフェがあった。メニューを見ると、なかなか美味しそうなので、ここで昼食休憩にした。
 イタリアビール。
 ん? でもなぜ、イタリアなの?

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 ビーフシチュープレート。

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 メチャメチャ美味しかったで〜す♪
 レジの脇にも、ちっちゃなハロウィンが、さりげなく飾られていた。

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 最後のブラフ18番館は、バルーンアートが見どころだ。

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 丸いものは愛らしい。

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 しかも、このカボチャは、細長い風船を折りたたんで作ったものと思われる。
 アイデア賞であろう。

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 しかし、廊下のオブジェには閉口した。ここまで不気味だと、やりすぎという気がする。

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 子どもが泣いちゃったりして。
 素敵な出会いもあった。
 山手234番館を訪れたら、ちょうど「MUK写真展+1」なるイベントをしていた。

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 3人のジェントルマンによる共同写真展だそうで、西洋館、カンボジア、インド、アフリカなどフォトが飾られていた。どの写真も力作で、カメラ初心者の私には刺激的である。とりわけ、ソマリアを中心としたアフリカの写真は、よく練られた構図がよかった。
 展示期間はわずか6日間。たまたま、この間に来ることができてラッキーだった。
 商店街の飾り付けとはひと味違う、にぎやかなハロウィンに満足する。
 実のところ、心残りもある。
 横浜市イギリス館の近くに「岩崎ミュージアム」という施設があるのだが、時間があればここに立ち寄りたかった。何しろ、ここではアンティーク風ドレスを着て、記念撮影ができるそうだ。
 また、クリスマスの時期に来ようかな……。
 今度は、西洋館プラス、岩崎ミュージアムで!

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2014年09月15日

手作りチキンナゲット

 ブラウンのハンディブレンダ―、チョッパー、ミキサーのセットを買った。

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 レシピブックがついており、料理のレパートリーが広がる。
 早速作りたいと思ったのは、ジューシーチキンナゲットであった。

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 材料を見ると、「ガーリックパウダー」と書いてあった。
 これは何ものだろう。聞いたこともない。
 近所のスーパーに行き、調味料売り場をのぞいてみたが、「ガーリックスライス」や「ガーリックペッパー」などというものしかない。仕方なく、デパートの調味料コーナーまで足を運び、店員さんに聞いてみたら見つかった。

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 やった〜!

 これさえ見つかれば、あとは簡単だ。
 ぶつ切りにした鶏胸肉と小麦粉、卵、塩、こしょうを入れてチョッパーにかける。おっと、苦労して入手したガーリックパウダーも忘れてはならない。
 スイッチを入れてかくはんすると、あっという間にタネができる。

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 フタを開けてビックリ、食欲をそそるガーリックの香りが漂ってきて、生肉なのに食べたくなってきた。
「いい匂い♪」
 あとは、手にオリーブ油をつけて、タネを小判形に成型し揚げるだけだ。
「簡単、簡単」
 だが、見た目を美しくするのは簡単でなかった。軟らかめを好む娘のため、卵を多く入れたせいか、グニャグニャしていて形が整わない。その上、揚げたときに真ん中が「プク〜」と膨らみ、コロッケのようになってしまった。中央は、あらかじめ凹ませなければならなかったようだ。とても、人様には差し上げられそうにない出来である。
「完成〜!」

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 売り物にはならなくても、できあがるとうれしい。ホカホカしているうちに、ケチャップをつけていただく。
 塩味が足りない気がしたが、ここでもガーリックパウダーが存在感を発揮して、市販のものより香ばしい仕上がりとなった。
「メチャメチャ美味しい」
 娘も夫も大喜びだ。次から次へと、ナゲットが売れていった。
 好評だったので、頃合いを見てまた作るつもりだ。
 タネを見て、気づいたことがある。もしや、鶏ひき肉でも、美味しくできるのではないか?
 食べ比べるのもまた一興。

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 「これはしたり〜笹木砂希〜」(エッセイ)
 「うつろひ 〜笹木砂希〜」(日記)
posted by 砂希納言 at 14:58| Comment(4) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする